九州のごみすてば

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音MADでハモる音合わせがしたい

「音MADの音合わせでハモリやりたいのに音楽なんも分からんのやけどどないすんねん」な人向けの解説を探してもしっくりするものが無かったので、備忘録も兼ねて自分で書きました

かくいう私も音楽ド素人ですが、ド素人のきもちはド素人にしかわからないので、大丈夫でしょう(適当)

 

音楽理論的なところで解説に一部嘘が混じっていると思いますが、ごめんなさい

 

 

一番かんたん:ピッチを5下げる(4度下ハモリ)

終わり! 閉廷!

 

普通の音合わせ(主旋律)

ピッチ5下げ(ハモリ?)

ミックス

 

3度下のハモリ(下ハモ)

ごめんなさい、真面目にやります

 

ハモリと言えば「3度下」「3度上」と呼ばれるものが一般的です

まずは3度下のハモリを作っていきましょう

 

0. 導入

その前に、ハモリのための前提知識を身に着ける必要があります

下の解説動画が自分が見た中では最も分かりやすく、おすすめです

上の動画で知識を仕入れた前提で進めていくので、よろしくお願いします

 

以下、音MAD向けの解説です

お題は「Panic! Pop'n! Picnic!」のサビです(1:18~)

使用するDTMソフトは、当然ですがREAPERです

(記事執筆時のバージョンはv7.25

 

1. 主旋律を耳コピする

がんばれ!

 

上の画像のようなピアノロールを開くには、まずReaperのトラック上でCtrlキーを押しながら、左ドラッグしてmidiアイテムを生成します

このmidiアイテムをダブルクリックすると、midiのノートを打ち込めるピアノロールのウインドウを開くことができます

 

耳コピでどうしても聞き取れない音程があるにしても、だいたい耳コピできたらサビ部分のキー(音階)の特定に移ります

耳コピした音程がずれていると後々大変なので、自信のないところは後で打ち込みましょう

 

ちなみに、midiはそのままだとノートを打ち込んでも音が鳴らないので、

(よくわからない人は)「Synth1」というVSTをトラックに挿してください

私もよく分かりません 挿せば音が鳴ると思います

 

2. 曲のキーを特定する

上の解説動画のキーの特定方法はあまりに玄人向けなので、別のアプローチから攻めます

 

一番最初のフレーズに注目しましょう

 

音階を鍵盤にメモしてみました*1

「ファ#」「ソ」に注目してください

2音は隣り合った半音どうしです

 

なんか明るそうな曲調なので、とりあえずこの曲のキーをメジャースケールと仮定してみます*2

メジャースケールの音程は「全・全・半・全・全・全・半」の間隔で並んでいるのでした

つまり、半音(ここではファ#)が並ぶのは、スケールの「第3音・第4音」か「第7音・第1音(=第8音)」しかありません

 

なので、選択肢は

・「ソ」が第1音とすれば、Gメジャースケール

・「ソ」が第4音とすれば、第1音(半音5つ下)*3は「レ」なので、Dメジャースケール

のいずれかに絞られます

 

もう一か所注目しましょう 

 

また半音どうしで隣り合っている2音がありますね

「ド#」と「レ」です

 

・レが第1音(第8音)とすれば、Dメジャースケール

・レが第4音とすれば、第1音(半音5つ下)は「ラ」なので、Aメジャースケール

 

「ファ#・ソ」と「ド#・レ」がともにスケール内で隣接する必要があるので、

したがってサビ部分のスケールは「Dメジャースケール」と特定できました

それか、「ド#はGメジャーの音階には出てこない」と分かれば、Dメジャーとすぐ絞り込めます

 

Dメジャーを構成する音程は、D(レ)を起点に「全・全・半・全・全・全・半」の間隔で並べると

 

 「レ・ミ・ファ#・ソ・ラ・シ・ド#・レ」になります

   ⇒言い換えると「D・E・F#・G・A・B・C#・D」

 

ドレミファソラシドみたいだね

 

この音階がハモリを作るうえで非常に重要なので、

メモなどしていつでも参照できるようにしておきましょう

 

キーがDメジャースケールということは、

「レ・ミ・ファ#・ソ・ラ・シ・ド#・レ」以外の音程は「基本的には」使いません

逆に言うと例外があるんだね あとで例外を紹介します

 

3. 耳コピの修正

「レ・ミ・ファ#・ソ・ラ・シ・ド#・レ」以外の音は使わないと分かったので、midi耳コピを修正していきます

玄人でもない人が耳コピをしたら、必ず最低1か所は耳コピをミスってると思いましょう

耳コピしても聞き取れなかった箇所も、ここで改めて上の音階を頼りにmidiを打ちます

 

目印として、とりあえず鍵盤にDメジャーの音階を入力しましょう*4

 

鍵盤を右クリックすると、クリックした音階にあるノートを全選択できるので

Dメジャーでない音程の鍵盤を右クリックし、そこにノートが配置されていないことを確認します

 

あ り ま し た

「ド」(C)は、Dメジャースケールには存在しない音程なので、耳コピを間違っている可能性がありそうです

 

と言いたいのですが、今回のケースは「ド」で合っています

これがさっきも書いた『例外』のケースで、スケールにない音が隠し味程度にさりげなく使われるケースもあります*5

 

基本は「レ・ミ・ファ#・ソ・ラ・シ・ド#・レ」の音階にノートを合わせて、後は己の耳を信じてmidiを修正しましょう

 

4. ハモリを作る

大変お待たせいたしました いよいよハモリを作ります

 

ピアノロールのウインドウの最下部に、「調スナップ」というチェックボックスがありますね

 

押してみましょう

これで、指定したキーの音階に合わせて、midiノートの配置がスナップできるようになりました これは嬉しい

 

デフォルトがCメジャーになっているので、サビに合わせてDメジャーに設定します

 

Ctrl+Aキーでノートを全選択して、

ノート全体で見て4回ピッチシフトするように、Ctrlキーを押しながらゆっくりと下にドラッグして、ノートを複製します

失敗すると後が面倒くさいので、事前にバックアップとしてmidiアイテムを複製しておくとよいです

 

おめでとうございます ハモリが完成しました

 

本当にこんなんで3度下のハモリになるのかは、確かめてみればわかります

一番最初の音は「レ」と「シ」です

Dメジャーの「レ・ミ・ファ#・ソ・ラ・・ド#(・・ミ)」で見れば、

「レ」と「シ」のインターバルが3度であることがわかります*6

 

次の音の「ミ」と「ド#」も、Dメジャーで言えばインターバルは3度ですね

次の「ファ#」と「レ」もインターバルは3度、その次の「ソ」と「ミ」も3度です

どれも正しく3度下のハモリになっているのがわかりますね

 

ただし、スケールに存在しない(スケールアウトな)音のハモリはどうするんだ問題があります

「ド」はこのスケールの一部ではありません

彼はこのスケールには存在しません

 

そもそもの話ですが、半音1つズレ(シ)か2つズレ(ラ#)をハモリとすると不協和音になってしまうので、

最低でもハモリは主旋律からピッチ3つ分ずらすのが基本です

 

この場合はハモリを「ソ#」としても、「ソ」としても、聴いてみると違和感があったので

修正はせずそのまま「ラ」が正解になりますかね

ここはやはり己の耳が頼りになります

 

実はもう1か所スケールアウトの部分があります

この「ソ#」もDメジャーにしてみれば仲間外れの音です

 

これもハモリは「ミ」から修正はせずにそのままにしています

「前の音とハモリの音程変わってないやんけ」と言いたくなりますが、そういう時もあります

1半音上げて「ファ」にしたら違和感あったので、これが正解です*7

 

5. 音合わせをする

もうちょっとだけ続くんじゃ

 

当初の目的を忘れていませんか? 音合わせをするまでが遠足です

 

ここから先は「midi2item」というスクリプトが必要です

導入していない人はインストール、しよう!

製作者のePiさんのサイトが閉鎖状態なので、WebArchiveから落とす必要があります

 

四角で囲ったリンク先をクリックすると、zipファイルがダウンロードされます

導入方法や詳しい使用方法は以下をを参照してください

 

トラック上のmidiアイテムを選択した状態で「アクションリストを開く」をクリックして

 

「Script: midi2item.lua」を選択して「実行(R)」を押すと

 

こんな感じでピッチ設定がされた空のメディアアイテムが生成されます

 

空のメディアアイテムを選択した状態でF2キーを押すと、いつものメディアアイテムプロパティが表示されます

空のメディアアイテムを全選択してあげましょう

「新規ファイル選択(C)...」から、音合わせしたい素材を選択して

 

ソース内開始位置を調整したら

 

再生してみましょう

 

だいぶホラーテイストになってしまったので、音合わせのキーを原曲に合わせます

 

素材の音も間延びしているので、再生速度を2倍くらいにして

 

歯切れをよくするために、0.02秒くらいのフェードアウトをかけて

 

後はお好みで素材を調整して

できました

 

これは補足ですが、声変わりが気になる人は「ピッチ操作モード」で「élastique 3.3.3 Soloist」を選んでやるといい感じになります

 

後は主旋律が目立つように音量調節をして、原曲と合わせたら

完成しました👏

 

3度上のハモリ(上ハモ)

下ハモとやることは途中まで全く同じです

曲のキーを特定して、主旋律の耳コピをするところまでやります

以下は下ハモの章「4. ハモリを作る」からの続きです

 

midi編集ウインドウ下部の「調スナップ」にチェックを入れて、

曲のキーはDメジャーなので「D」を選択します

 

Ctrl+Aキーでノートを全選択して、

ノート全体で見て3ピッチシフトするように、Ctrlキーを押しながらゆっくりと上にドラッグして、ノートを複製します

3回だよ3回

 

もしかしたら曲のキーによっては3回だったり4回だったりするかもしれません ごめん

失敗した時に備えてmidiアイテムは事前に複製しておこう

 

上ハモができました やったね

 

後はまた下ハモと同じように、midi2itemで空のメディアアイテムを複製して、

音合わせしたい素材を選択して各種調整すれば、工事完了です…

 

注意点なんですが、上ハモは主旋律に比べて目立ちやすいので、そこは主旋律が主役になるようにうまく調整してやる必要があります

ハモリの一部音域をイコライザで削ってやるとかいいかも

 

おまけ 4度のハモリをちゃんと作る

しょっぱなで4度下のハモリ?を適当にピッチを5下げるだけで作りましたが、果たしてそれは理に適っているのでしょうか

ちゃんとしたやり方で4度下のハモリを作ってみました

ちなみにここで気づいたのですが、4度のハモリはノートを全選択して複製するやり方では上手くいきませんでした どうして・・・

 

なので手作業で4度下の和音をmidi打ち込んでいます がんばった

 

midi2itemから空のメディアアイテムを生成して、主旋律とハモリのピッチの差を見てみると

大半のハモリは5ピッチ差ですが 一部ピッチが4差、6差のものがあります

 

4ピッチ差だった部分は実は画像の1か所だけで、主旋律がスケールアウトしていてハモリを主観で調節した部分になります 5ピッチ差だと気持ちよくなかったね

 

なので基本的に、4度のハモリの主旋律とのピッチ差は5または6になります

 

さらに言うと、メジャースケールの「全全半全全全半」の法則から考えれば

 ・ピッチ差が6のハモリは1組だけ

 ・それ以外の組み合わせは全てピッチ差5

になります

 

例えばCメジャースケール(ドレミファソラシド)で考えると、「ファ」と「シ」の間隔は「全全全」なので、ピッチ差は6になります

それ以外の組み合わせは、必ず「半」が1つ挟まるので必然的にピッチ差が5になるわけです

 

ところが、ピッチが6離れた2音は「増4度」という非常に気持ちの悪い音の組み合わせとして定義されています

なんか「悪魔の音程」とか言われるらしいですね 知らんけど

なのでピッチ6差の箇所は5差に修正してやるとよいかもしれません

 

【結論】最初から全部ピッチ5下げでよかったじゃん

 

とはいえ一般的なハモリは「3度下」または「3度上」とされているので、

安易に4度ハモリを使うのは、やめようね!

 

fun facts

和音(ハモリ)に関する個人的に好きな解説動画です

(3:34~以降は見なくてよいです)

 

*1:鍵盤を右ダブルクリックで鍵盤にメモを入力できます

*2:仮にマイナースケールだったとしても、ハモリ作りに影響は一切ないので問題ありません

*3:全・全・半と間隔を数えたら、半音5つ下であることがわかるはず

*4:鍵盤を右ダブルクリックでメモを入力できる

*5:音楽理論では「スケールアウト」という こういうスケール外の音をあまり使いすぎると悪目立ちしそう

*6:「いや2つだろ」となった人は、「0. 導入」で貼った解説の6:00~を見直してください

*7:そもそも「ファ」もスケールアウトの音だし