九州のごみすてば

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音MADでハモる音合わせがしたい

「音MADの音合わせでハモリやりたいのに音楽なんも分からんのやけどどないすんねん」な人向けの解説を探してもしっくりするものが無かったので、備忘録も兼ねて自分で書きました

かくいう私も音楽ド素人ですが、ド素人のきもちはド素人にしかわからないので、大丈夫でしょう(適当)

 

音楽理論的なところで解説に一部嘘が混じっていると思いますが、ごめんなさい

 

 

一番かんたん:ピッチを5下げる(4度下ハモリ)

終わり! 閉廷!

 

普通の音合わせ(主旋律)

ピッチ5下げ(ハモリ?)

ミックス

 

3度下のハモリ(下ハモ)

ごめんなさい、真面目にやります

 

ハモリと言えば「3度下」「3度上」と呼ばれるものが一般的です

まずは3度下のハモリを作っていきましょう

 

0. 導入

その前に、ハモリのための前提知識を身に着ける必要があります

下の解説動画が自分が見た中では最も分かりやすく、おすすめです

上の動画で知識を仕入れた前提で進めていくので、よろしくお願いします

 

以下、音MAD向けの解説です

お題は「Panic! Pop'n! Picnic!」のサビです(1:18~)

使用するDTMソフトは、当然ですがREAPERです

(記事執筆時のバージョンはv7.25

 

1. 主旋律を耳コピする

がんばれ!

 

上の画像のようなピアノロールを開くには、まずReaperのトラック上でCtrlキーを押しながら、左ドラッグしてmidiアイテムを生成します

このmidiアイテムをダブルクリックすると、midiのノートを打ち込めるピアノロールのウインドウを開くことができます

 

耳コピでどうしても聞き取れない音程があるにしても、だいたい耳コピできたらサビ部分のキー(音階)の特定に移ります

耳コピした音程がずれていると後々大変なので、自信のないところは後で打ち込みましょう

 

ちなみに、midiはそのままだとノートを打ち込んでも音が鳴らないので、

(よくわからない人は)「Synth1」というVSTをトラックに挿してください

私もよく分かりません 挿せば音が鳴ると思います

 

2. 曲のキーを特定する

上の解説動画のキーの特定方法はあまりに玄人向けなので、別のアプローチから攻めます

 

一番最初のフレーズに注目しましょう

 

音階を鍵盤にメモしてみました*1

「ファ#」「ソ」に注目してください

2音は隣り合った半音どうしです

 

なんか明るそうな曲調なので、とりあえずこの曲のキーをメジャースケールと仮定してみます*2

メジャースケールの音程は「全・全・半・全・全・全・半」の間隔で並んでいるのでした

つまり、半音(ここではファ#)が並ぶのは、スケールの「第3音・第4音」か「第7音・第1音(=第8音)」しかありません

 

なので、選択肢は

・「ソ」が第1音とすれば、Gメジャースケール

・「ソ」が第4音とすれば、第1音(半音5つ下)*3は「レ」なので、Dメジャースケール

のいずれかに絞られます

 

もう一か所注目しましょう 

 

また半音どうしで隣り合っている2音がありますね

「ド#」と「レ」です

 

・レが第1音(第8音)とすれば、Dメジャースケール

・レが第4音とすれば、第1音(半音5つ下)は「ラ」なので、Aメジャースケール

 

「ファ#・ソ」と「ド#・レ」がともにスケール内で隣接する必要があるので、

したがってサビ部分のスケールは「Dメジャースケール」と特定できました

それか、「ド#はGメジャーの音階には出てこない」と分かれば、Dメジャーとすぐ絞り込めます

 

Dメジャーを構成する音程は、D(レ)を起点に「全・全・半・全・全・全・半」の間隔で並べると

 

 「レ・ミ・ファ#・ソ・ラ・シ・ド#・レ」になります

   ⇒言い換えると「D・E・F#・G・A・B・C#・D」

 

ドレミファソラシドみたいだね

 

この音階がハモリを作るうえで非常に重要なので、

メモなどしていつでも参照できるようにしておきましょう

 

キーがDメジャースケールということは、

「レ・ミ・ファ#・ソ・ラ・シ・ド#・レ」以外の音程は「基本的には」使いません

逆に言うと例外があるんだね あとで例外を紹介します

 

3. 耳コピの修正

「レ・ミ・ファ#・ソ・ラ・シ・ド#・レ」以外の音は使わないと分かったので、midi耳コピを修正していきます

玄人でもない人が耳コピをしたら、必ず最低1か所は耳コピをミスってると思いましょう

耳コピしても聞き取れなかった箇所も、ここで改めて上の音階を頼りにmidiを打ちます

 

目印として、とりあえず鍵盤にDメジャーの音階を入力しましょう*4

 

鍵盤を右クリックすると、クリックした音階にあるノートを全選択できるので

Dメジャーでない音程の鍵盤を右クリックし、そこにノートが配置されていないことを確認します

 

あ り ま し た

「ド」(C)は、Dメジャースケールには存在しない音程なので、耳コピを間違っている可能性がありそうです

 

と言いたいのですが、今回のケースは「ド」で合っています

これがさっきも書いた『例外』のケースで、スケールにない音が隠し味程度にさりげなく使われるケースもあります*5

 

基本は「レ・ミ・ファ#・ソ・ラ・シ・ド#・レ」の音階にノートを合わせて、後は己の耳を信じてmidiを修正しましょう

 

4. ハモリを作る

大変お待たせいたしました いよいよハモリを作ります

 

ピアノロールのウインドウの最下部に、「調スナップ」というチェックボックスがありますね

 

押してみましょう

これで、指定したキーの音階に合わせて、midiノートの配置がスナップできるようになりました これは嬉しい

 

デフォルトがCメジャーになっているので、サビに合わせてDメジャーに設定します

 

Ctrl+Aキーでノートを全選択して、

ノート全体で見て4回ピッチシフトするように、Ctrlキーを押しながらゆっくりと下にドラッグして、ノートを複製します

失敗すると後が面倒くさいので、事前にバックアップとしてmidiアイテムを複製しておくとよいです

 

おめでとうございます ハモリが完成しました

 

本当にこんなんで3度下のハモリになるのかは、確かめてみればわかります

一番最初の音は「レ」と「シ」です

Dメジャーの「レ・ミ・ファ#・ソ・ラ・・ド#(・・ミ)」で見れば、

「レ」と「シ」のインターバルが3度であることがわかります*6

 

次の音の「ミ」と「ド#」も、Dメジャーで言えばインターバルは3度ですね

次の「ファ#」と「レ」もインターバルは3度、その次の「ソ」と「ミ」も3度です

どれも正しく3度下のハモリになっているのがわかりますね

 

ただし、スケールに存在しない(スケールアウトな)音のハモリはどうするんだ問題があります

「ド」はこのスケールの一部ではありません

彼はこのスケールには存在しません

 

そもそもの話ですが、半音1つズレ(シ)か2つズレ(ラ#)をハモリとすると不協和音になってしまうので、

最低でもハモリは主旋律からピッチ3つ分ずらすのが基本です

 

この場合はハモリを「ソ#」としても、「ソ」としても、聴いてみると違和感があったので

修正はせずそのまま「ラ」が正解になりますかね

ここはやはり己の耳が頼りになります

 

実はもう1か所スケールアウトの部分があります

この「ソ#」もDメジャーにしてみれば仲間外れの音です

 

これもハモリは「ミ」から修正はせずにそのままにしています

「前の音とハモリの音程変わってないやんけ」と言いたくなりますが、そういう時もあります

1半音上げて「ファ」にしたら違和感あったので、これが正解です*7

 

5. 音合わせをする

もうちょっとだけ続くんじゃ

 

当初の目的を忘れていませんか? 音合わせをするまでが遠足です

 

ここから先は「midi2item」というスクリプトが必要です

導入していない人はインストール、しよう!

製作者のePiさんのサイトが閉鎖状態なので、WebArchiveから落とす必要があります

 

四角で囲ったリンク先をクリックすると、zipファイルがダウンロードされます

導入方法や詳しい使用方法は以下をを参照してください

 

トラック上のmidiアイテムを選択した状態で「アクションリストを開く」をクリックして

 

「Script: midi2item.lua」を選択して「実行(R)」を押すと

 

こんな感じでピッチ設定がされた空のメディアアイテムが生成されます

 

空のメディアアイテムを選択した状態でF2キーを押すと、いつものメディアアイテムプロパティが表示されます

空のメディアアイテムを全選択してあげましょう

「新規ファイル選択(C)...」から、音合わせしたい素材を選択して

 

ソース内開始位置を調整したら

 

再生してみましょう

 

だいぶホラーテイストになってしまったので、音合わせのキーを原曲に合わせます

 

素材の音も間延びしているので、再生速度を2倍くらいにして

 

歯切れをよくするために、0.02秒くらいのフェードアウトをかけて

 

後はお好みで素材を調整して

できました

 

これは補足ですが、声変わりが気になる人は「ピッチ操作モード」で「élastique 3.3.3 Soloist」を選んでやるといい感じになります

 

後は主旋律が目立つように音量調節をして、原曲と合わせたら

完成しました👏

 

3度上のハモリ(上ハモ)

下ハモとやることは途中まで全く同じです

曲のキーを特定して、主旋律の耳コピをするところまでやります

以下は下ハモの章「4. ハモリを作る」からの続きです

 

midi編集ウインドウ下部の「調スナップ」にチェックを入れて、

曲のキーはDメジャーなので「D」を選択します

 

Ctrl+Aキーでノートを全選択して、

ノート全体で見て3ピッチシフトするように、Ctrlキーを押しながらゆっくりと上にドラッグして、ノートを複製します

3回だよ3回

 

もしかしたら曲のキーによっては3回だったり4回だったりするかもしれません ごめん

失敗した時に備えてmidiアイテムは事前に複製しておこう

 

上ハモができました やったね

 

後はまた下ハモと同じように、midi2itemで空のメディアアイテムを複製して、

音合わせしたい素材を選択して各種調整すれば、工事完了です…

 

注意点なんですが、上ハモは主旋律に比べて目立ちやすいので、そこは主旋律が主役になるようにうまく調整してやる必要があります

ハモリの一部音域をイコライザで削ってやるとかいいかも

 

おまけ 4度のハモリをちゃんと作る

しょっぱなで4度下のハモリ?を適当にピッチを5下げるだけで作りましたが、果たしてそれは理に適っているのでしょうか

ちゃんとしたやり方で4度下のハモリを作ってみました

ちなみにここで気づいたのですが、4度のハモリはノートを全選択して複製するやり方では上手くいきませんでした どうして・・・

 

なので手作業で4度下の和音をmidi打ち込んでいます がんばった

 

midi2itemから空のメディアアイテムを生成して、主旋律とハモリのピッチの差を見てみると

大半のハモリは5ピッチ差ですが 一部ピッチが4差、6差のものがあります

 

4ピッチ差だった部分は実は画像の1か所だけで、主旋律がスケールアウトしていてハモリを主観で調節した部分になります 5ピッチ差だと気持ちよくなかったね

 

なので基本的に、4度のハモリの主旋律とのピッチ差は5または6になります

 

さらに言うと、メジャースケールの「全全半全全全半」の法則から考えれば

 ・ピッチ差が6のハモリは1組だけ

 ・それ以外の組み合わせは全てピッチ差5

になります

 

例えばCメジャースケール(ドレミファソラシド)で考えると、「ファ」と「シ」の間隔は「全全全」なので、ピッチ差は6になります

それ以外の組み合わせは、必ず「半」が1つ挟まるので必然的にピッチ差が5になるわけです

 

ところが、ピッチが6離れた2音は「増4度」という非常に気持ちの悪い音の組み合わせとして定義されています

なんか「悪魔の音程」とか言われるらしいですね 知らんけど

なのでピッチ6差の箇所は5差に修正してやるとよいかもしれません

 

【結論】最初から全部ピッチ5下げでよかったじゃん

 

とはいえ一般的なハモリは「3度下」または「3度上」とされているので、

安易に4度ハモリを使うのは、やめようね!

 

fun facts

和音(ハモリ)に関する個人的に好きな解説動画です

(3:34~以降は見なくてよいです)

 

*1:鍵盤を右ダブルクリックで鍵盤にメモを入力できます

*2:仮にマイナースケールだったとしても、ハモリ作りに影響は一切ないので問題ありません

*3:全・全・半と間隔を数えたら、半音5つ下であることがわかるはず

*4:鍵盤を右ダブルクリックでメモを入力できる

*5:音楽理論では「スケールアウト」という こういうスケール外の音をあまり使いすぎると悪目立ちしそう

*6:「いや2つだろ」となった人は、「0. 導入」で貼った解説の6:00~を見直してください

*7:そもそも「ファ」もスケールアウトの音だし

【AviUtl】中間点だけでモノを自在に動かせる訳がない

これはお気持ち表明です

 

まずはこちらをご覧ください

ベトナム国旗です

星型図形のy座標を上下に、時計回りに回転をかけつつ、入りに単色化で色を変化させています

 

★のパラメータはどうなっているのでしょう?

 

答え

 

「なにこれ」となったそこのあなた

おめでとうございます

 

成長のチャンスです

 

どうして誰も教えてくれないんですか?

「オブジェクトをあれこれ動かすには、中間点を使いましょう」と習いましたね

 

これは、半分間違いです

 

一応、中間点オンリーでも似たような動きは作れなくもないですが、自由度は確実に落ちます

(右の青い★が中間点だけを使って動きを再現したもの)

それに中間点だけでは、どの中間点がどのフィルタ効果のパラメータ変化点に使われているのか、非常にわかりづらい

 

そこで出番になるのが、水色のヤツ「メディアオブジェクトのフィルタ効果」です

 

フィルタ効果オブジェクトを使いなさい

この水色のヤツ、皆さんは活用していますか?

メディアオブジェクト版フィルタ効果です

 

「フィルタ効果って何?」と言われると、この拡張編集ダイアログにあるような、テキストや図形につけるエフェクトと思えばよいです(語弊)

 

「メディアオブジェクトって何?」と言われると、こういうやつです

図形やテキスト、画像、動画、音声ファイル等のメディアオブジェクトと同じように、フィルタ効果もタイムライン上に配置することができます

こうすることで、オブジェクトの変化中に別の変化を加えることができるため、より自由度が利き、ヌルっとしてイカしたモーションが実現できます

 

詳しくはここを見てください

ぶっちゃけこの私の記事も、上の記事の請け売り、というかメディアオブジェクトのフィルタ効果布教のために書いています

 

「メディアオブジェクトのフィルタ効果」といちいちタイプするのは疲れるので、ここでは便宜的に「フィルタ効果オブジェクト」と呼ぶことにします

 

フィルタ効果オブジェクトは、素のAviUtlだと出すのが面倒くさいですが、

拡張ツールバーなら一発です

 

グループ制御もあるぞ

最近作った合作のPFです

バカすぎ

 

複数のオブジェクトに同じフィルタ効果をかけたい!時はフィルタ効果オブジェクトの代わりにグループ制御を置くことも多いです

 

ちなみにこの時初めて使用レイヤー数が100に達しました*1

フィルタ効果オブジェクトやグループ制御を使いまくるとすぐにレイヤー100まで達するので、これは明確なデメリットです

部分的にエンコードするなりして消費レイヤー数を抑えるしかありません

 

【宣伝】合作というのはこれです 見てください(います @0:57~)

 

1つの中間点を全てのフィルタ効果が共有するのは、絶対におかしい

上のPFを見ても分かる通り、オブジェクトのモーションを中間点だけで済ませている例はごくわずかです*2

これは当然です フィルタ効果をかけたいタイミングは、フィルタ効果によってバラバラなので

 

こんな状況を想定しましょう

・①→②で透明度を変化

・③→④で透明度を変化

・①→③で加減速移動

・①→④で直線移動

 

直線移動は「中間点無視」で出来そうですね

透明度も、中間点を打ってパラメータを変化させれば良さそうに見えます

 

しかし加減速移動はどうでしょう ②の中間点が邪魔になり、思うような動きにはならないはずです(②の地点で停止してしまう)

都合よく「②の中間点だけ無視させる」といったこともできません

 

結論は、こうするしかない

こういう中間点の仕様に文句を言いたいところですが、ちゃんとAviUtlがフィルタ効果オブジェクトを用意してくれている以上、それは見当違いです

 

言うべきは

「どうして誰も教えてくれないんですか?」

 

中間点だけでモノを自在に動かせる訳がない

タイトル回収

 

「オブジェクトを動かす」というのは、中間点を打ってパラメータを動かす だけではありません

フィルタ効果オブジェクトや、グループ制御の活用が不可欠です

これは絶対です 間違いない

 

逆に「中間点以外いらんだろ」という人がいれば、教えてください 私には中間点だけで自分の動画を作れる気がしない

 

皆さんで初心者AviUtlユーザーへの啓蒙活動をしていきましょう

 

*1:AviUtlのレイヤー数は100が上限で、それ以上増やすことはできない

*2:パラメータを変化させるフィルタ効果が1つしかないとか、横着して中間点だけでモーション調整を済ませたとかならあり得る

【AviUtl編集テクニック】「上のオブジェクトでクリッピング」でもシャドーや縁取りなどを使えるようにする

ここにテキストがあります

 

そして下のレイヤーに画像を投げました

 

いいですね

 

画像に「上のオブジェクトでクリッピング」をします

 

🆗

 

せっかくなので、このテキストに縁取りやシャドーも装飾したいですね

↑理想

 

 

 

やりました

 

 

 

 

一斉に破壊される15棟のビル。この爆破で近隣の住宅数百軒で壁や柱にひび割れが起きてしまったというが… 「中国新闻网」より

 

 

これでは、いけませんね

 

 

じゃあどうするか

タクラマカン砂漠を[Ctrl+D]キーで複製します

 

 

下のタクラマカン砂漠から縁取りやシャドーを外して、上のタクラマカン砂漠に縁取りやシャドーをつけます

 

 

 

 

 

 

 

対戦ありがとうございました

 

 

真面目な解説

下のレイヤーのテキストを「上のオブジェクトでクリッピング」の踏み台にして、

上のレイヤーのテキストに縁取りやシャドー等をかけることで崩壊を回避しています

 

失敗例では、(シャドーも含めて)下の形の図形で画像の型取りをしようとしているので、このようなことが起きます

 

ちなみに、任意の「シーン」にこのように(白黒になるように)テキストを配置して

 

画像にマスクフィルタをかけ、マスクフィルタの図形選択でテキストを配置したシーンを選択すると、似たようなことができます

 

「シーン」の白い部分がマスクとなり、黒い部分が切り抜かれる仕組みです

ただ、これは癖が強すぎるあまり使い勝手が悪いのでおすすめしません

 

余談

若い頃に「上のオブジェクトでクリッピング」とシャドー縁取りの両立問題で悩んでいたので記事にしたわけですが、

AviUtlユーザーの同じような疑問や問題の解決策がいくら調べても出てこないんですよね

 

もしかして全人類気づいてた? 嘘だろ

AviUtlで使用できるフォント名を名前順に列挙して出力したい

「Local Font 2」プラグインでいらないフォントを非表示にする時、タイトルの行為ができるといいんだけどな~ と思ったので記事を書きました

 

これはAviUtlのコミュニティで詳しい方に教えてもらいました ありがとうございます

 

①patch.aulプラグインを導入する

もう入れて当然だと思いますが、まだ入れていない人は入れてください→

https://kh40qsh1388.hatenablog.com/entry/2022/12/28/000005#patch.aul

 

なぜ入れるのかというと、「コンソール」が必要になるからです

これです

 

ちなみに、このコンソールは右上の×ボタンを押さないでください AviUtlが落ちます

これはバグではなくそういう設計思想だからです

邪魔なときは最小化ボタンを押してください

 

②LuaJITを更新する

これも大半の人は済んでいると思いますが→

https://scrapbox.io/ePi5131/LuaJIT

 

③タイムラインに適当なオブジェクトを用意します

 

④用意したオブジェクトにスクリプト制御フィルタをかけます

 

スクリプト制御のテキストボックスに、以下のコードをコピペします

local ffi = require"ffi";
if not ffi_defined then
ffi.cdef[[
typedef struct {
char pad[28];
char lfFaceName[32];
} LOGFONTA;
typedef int (__stdcall *FONTENUMPROCA)(LOGFONTA*, void*, uint32_t, uint32_t);
int EnumFontFamiliesA(void*, const char*, FONTENUMPROCA, uint32_t);
void* GetDesktopWindow();
void* GetDC(void*);
int ReleaseDC(void*,void*);
]];
ffi_defined=true;
end
local hwnd = ffi.C.GetDesktopWindow();
local hdc = ffi.C.GetDC(hwnd);
debug_print("enumerating fonts...")
ffi.C.EnumFontFamiliesA(hdc, nil, function(lf, _, _, _)
local str = ffi.string(lf.lfFaceName);
if str:sub(1,1) ~= "@" then
debug_print(str);
end
return 1;
end, 0);
ffi.C.ReleaseDC(hwnd, hdc);
debug_print("...end of fonts.")

 

⑥コンソールを表示すると、フォント一覧が取得されています

 

⑦コンソール内のテキストを[Ctrl+A]で全選択し、[Ctrl+C]でコピーします

 

Excelを開いて[Ctrl+V]で貼り付けます

 

⑨例えばC2のセルを選択した状態で、「数式」リボンの「関数の挿入」をクリックします

 

⑩「関数の挿入」ウインドウでREPLACE関数を選択し、OKを押します

 

⑪「関数の引数」ウインドウで、以下の通り入力します

ここでは、フォント名の前にある「[時刻](スペース文字)」を無に置き換えて、フォント名だけを抽出するということをしています

 

「文字列」の項目は⑧の手順でExcelシートのどこに貼り付けたかによりますが、うまく空気を読んでください

 

⑫時刻とスペース文字を排除して、フォント名だけを抜き出せたことを確認します(画像はフォント名ではないだろ)

 

⑬抜き出せたセルと同じように、全てのフォント名でも同じことをするためにオートフィルをします

 

オートフィルがわからない人は、C2セルを選択した状態で、

[Ctrl+Shift+↓]キーを同時押しした後、Alt→H→F→I→Sのキーを順番に押します

「種類」項目の「オートフィル(F)」のラジオボタンを選択し、OKを押します

 

⑭同じようにフォント名だけを抜き出せたことを確認します



⑮C列を右クリックし、コピーを選択します

画像で言う緑がけの部分を右クリックすればよいです

 

⑯E列を右クリックして、「貼り付けのオプション」から「値」をクリックして貼り付けます

 

⑰E列一番上の「enumerating fonts...」から一番下の「...end of fonts.」の間のセルを選択した状態で、「ホーム」リボンの「並べ替えとフィルター」→「昇順(S)」をクリックします

 

⑱E列のフォント名一覧が名前順に並べ替えられたことを確認します

⑯でわざわざ同じものをコピペしたのは、関数を参照しているのでこのままだと並べ替えができないからです

 

⑲テキストファイルに並べ替えたフォント一覧をコピペします

 

⑳AviUtlのフォント一覧を名前順で取得することができました

あとはここからコピペして、「Local Font 2」プラグインのExclude.txtに除外したいフォント名をぶち込みましょう

 

フリーフォントの中でも高品質だと思うものを独断と偏見で紹介してみる

フリーフォントの出来というのは基本的に商用モノに劣ると思っているんですが、

そんな私がおすすめできるフリーフォントを紹介するだけの記事

 

 

実際に私がインストールしているフォント

私がインストールしているということは、私が実用に足ると思っている証左です

インストールの証拠にサンプル画像も置いています

 

ロックンロール One, レゲエ One, ステッキ

普通にプロ仕様の書体が合法的にタダで手に入ります なんで???

 

 

 

テレビのテロップとしてよく見かけます

 

↓カラクリです 大盤振る舞いすぎる

人によってはクレーとかも好きな人いそうですね

 

LINE Seed JP

やっぱプロなんですよ

 

あのLINEが関係してるらしいけどよく分からなかった

フォントワークスが製作にかかわっています 強い

ウエイトが4種あるのもうれしい

 

フリーな正統派ゴシック体はこれ使っとけば間違いない感あります

 

Roぶらっしゅ, しまなみ

あのモリサワのフォントがタダで手に入ります

 

これらを含めた特定のフォント4種に限り、無料で使用できるようになっているそうです

ただし会員登録が必要だったり、Desktop Managerをインストールする必要があるなど導入は面倒くさい

 

モッチーポップ, 源暎ぽっぷる

シンプルに質が高い

かの写研のゴカールにも似た雰囲気ですが、ポップ系のフリーフォントの中ではこの2択になると思う

 

モッチーポップは漢字*1がなんかアンバランスな気がしないでもないので、私は源暎ぽっぷる派

 

源暎ぽっぷるの漢字は上で紹介したLINE Seed JPを使っているそうで、モッチーポップの漢字もこれで混植した方がよさそう

漢字が若干太いとか気にしたら負け

 

!警告!

AviUtlという有名なフリーの動画編集ソフト*2がありますが、

モッチーポップの場合、そのままではこのフォントを使えません

 

AviUtlには、内部のフォント名が長すぎる(32バイト以上?)フォントを使用するとバグるというバグがあります やはりAviUtlは滅びるべき

例えばコーポレート・ロゴ(ラウンド)とかもそうです

(→https://scrapbox.io/aviutl/テキストが意図しない文字・フォントになる

 

この問題を解決するには、FontForgeやttfname3などのソフトウェアを使って、フォント名を短くする必要があります

https://imadoki-railsite.com/?p=981

https://sakue.com/archives/1639

 

もう最初から源暎ぽっぷるでいいじゃん

 

しねきゃぷしょん

こういうのでいいんだよこういうので

 

シネマフォント系の商用フォントではフォントワークスのニューシネマとか使ってましたが、なんかくどいのでこっちの方がむしろ好きだったりします

ただし英字の作りはシネマ感がなくて微妙です

 

縦書きで配置してもよいですね

 

851マカポップ, 851手書き雑フォント

非常にシンプルで、非常に美味しい

 

手書き系のフリーフォントは「他とは違うぜ!」感を妙に出したがって、変な癖をつけてるのが多いんですが、これは素直でとてもよろしい

実はこの記事を書くまでには入れてなかったんですが、フリーフォントを調べていてよさげに感じたので入れました

 

音MAD作者とかはこの方のフォントにお世話になってる人多そう 私もフリーにしてはクオリティ高いと思う

ただ、正直手書き系は好みによるところが大きいかもしれない

 

この作者の方は他にもいくつか面白いフリーフォントを製作しています

 

平成角ゴシック

ダイナフォントの商用フォントがタダでもらえます

 

こちらもAdobeに会員登録したり、Creative Cloudをインストールする必要があるなど導入が面倒です

別に商用というだけで使い時はよく分かってない

 

個人的に惜しいと思うフォント

惜しくもインストールには至らなかったが、嫌いではないフリーフォントの一覧

 

Otomanopee

そこまで嫌いじゃないけど使いどころのイメージがつかない

 

タイプラボの各種フォント(お試し版)

タイプラボ製の各種商用フォントが、お試し版として無料で使えます

ただし、濁音のかなとカナは一切使えません

使える漢字の種類も少ないので、使える場面はだいぶ限定的です

 

要は製品版買ってね、ということです

 

その他

よさげなフリーフォントを探したいならこの辺りを見るとよいです

 

商用フォントを安く使いたい

AdobeCreative Cloudサブスクリプションを契約すれば、結構な種類の商用フォントが使い放題になるらしい


年間で契約するならInCopyの6,336円(月528円)

月々の契約なら968円

訳あって私も近々契約することになりそう

 

※月々契約だとFiireflyの方が安いよと書いてましたが、あれは嘘です AdobeFontsは特典に含まれないそうです 罠だろ

 

学生の諸君へ

フォントワークスのフォントが使い放題の学生向けLETSが年間990円で契約できます

普通に頭おかしい安さなので絶対に契約するべきです(私もしてた)

 

*1:源ノ角ゴシックから流用している

*2:厳密には動画編集ソフトではない